安部公房の小説『箱男』 ストーリー・テーマ・時代背景を徹底解説 作品に隠されたいくつもの文明論とは……?【彗星読書ゼミ】
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- Опубликовано: 27 июл 2024
- 安部公房の長編小説『箱男』を詳しく解説します。
国内外で読み継がれていながら、今なお議論を呼ぶこの小説、一体何が面白いのか? 様々な読解テクニックを使って、一緒に読み解いてみましょう。
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【主なチャプター】
0:00 イントロダクション
4:55 ⒈『箱男』あらすじ
5:14 メインパートは”箱男”の書いたノート
6:09 箱男とは何者か?
16:34 ⒉作品要点
19:11 箱から出ることこそ主人公のゴールだった
20:13 現代的な寓話・通過儀礼の物語
20:40 見る事・見られる事
22:46 ⒊時代考察
22:57 行動経済成長期が終わった年
23:47 脱工業化社会、『モモ』『キャリー』『狂気』
25:31 ⒋作品の特徴
25:41 メタフィクションとは何か?
32:14 一人称小説の根本原理
36:11 安部公房がメタフィクションを書いた理由
37:55 ⒌作品のテーマ
42:17 『箱男』の匿名性
42:59 共同体の外側へ出た者の姿を描く
44:30 小説はいつ生まれたか?
45:20 安定したルールの外でだけ語れること
46:26 私たちが共同体から逃げるとき
48:35 作者が意図しなかった(かもしれない)裏テーマ
55:30 わざと作品に強いバイアスを掛ける
57:05 心霊写真としての箱男?
1:00:26 ⒍さらなる『箱男』
1:02:09 映画『箱男』について
1:04:26 最後の1行の意味は……?
1:06:22 ⒎さいごに
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安部公房『箱男』
amzn.to/3Fu0lCZ
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2024年07月のライブ配信にて読書会として挙げられた作品『箱男』
この動画を再び拝見させて頂きましたが、とにかく切り口が多いですね
心霊写真ですか、私はこのRUclips上のリスナーの立場を指摘しておられるのかなと思いました
個人的に2点、ピンク・フロイドと安部公房という組み合わせ、そして森さんがブギーポップを持っているという事実、衝撃でした
映画化が実現されてひとしおですね
本書をもう一度読んでみたいと思います
ライブ配信にご参加いただき、ありがとうございました。
動画を作るときは、資料的・研究的な充実度ではなく、「前提知識を必要としない見方」で楽しんでもらうことを徹底しています。
ラノベは全くタッチしていないのですが、ブギーポップは有名作の代表として目を通していました。
ライブ配信読書会は現在企画中、ぜひご参加ください。
若い頃はくどい思弁的な作品を書いていた安部公房だが、真知夫人に「読みにくい」と言われてスタイルを変えてしまったのが「Sカルマ氏の犯罪」
他の仕事も断って、半年以上の時間を掛けたこの作品で安部公房は「変身」してしまったかと。
ある意味エンタメ系の路線に転換したとも言える。
死後明らかになった初期作品の段階で、「人間はなぜかくあらねばならぬのか」という実存論や、匿名性や逃走に、技巧的な語り口などはほぼ出揃っている。
しかし芥川賞受賞以降の安部公房は、テーマを深掘りする事より小説技法の研磨に精進したように思う。
それゆえにSFや推理小説、そして演劇へとウィングを広げていく動機だったろう。
著名な安部公房の長編作品の、とにかく膨大な原稿を書きまくり、そこから削りまくる作業自体が「文学的活動」の実践みたいなところがある。
「箱男」という作品も、当初はそれ程方向性は持っていなかったが、書き殴る間に自ずと方向性が定まっていったのだろう。
そこは勅使河原宏との映画製作で、撮影したフィルムをつなぎあわせていくモンタージュ技法の影響が濃厚だ。
時代性が感じられるとしたら、映画編集の技法を小説に取り込んだことだと思う。
最後の一行の「救急車のサイレン」も、唐突な終わらせ方をしたがる嗜好は初期作品から通底している。
そこが次作「密会」の起点となっていると言う解釈も可能だが、あくまで安部公房のエンタメ的なイタズラでしかなかったのかもしれない。
未完成に終わった「飛ぶ男」の原稿公刊で、安部公房の小説創作過程が、かなり明らかになったと思う。
最近小説が好きになったのですが、知らない本しかないので色々紹介してくださると視野が広がるので感謝です😆
ご関心に応えられたようで嬉しいです。
これからも沢山の小説や書物を取り扱っていきます。
他のどのチャンネルよりも、資料と経験に基づいた情報で、小説の奥深い世界をご紹介しますので、ぜひご期待ください!
ちいかわをホラーで見るのもバイアスをかけるものなのかね
ちいかわをホラーで読んだことはないが、そうかも?
『箱男』の最後の救急車のサイレンの音は次の小説の『密会』の始まりに接続するメビウスの環になってゐます。安部公房の全ての初期の小説からこのやうな接続関係によつてメビウスの環になつてゐます。それによつて虚構であるすべてのメタフィク書の作品も(詩もさういふ構造なので)1となり存在となつてゐます。お話を伺って本質的なことを安部公房と文学および小説そのものに関しておつしやつてゐるので今ブッククラブの会員になりました。よろしくお願ひ致します。
たまたま家にあった箱男、兄貴が前に読んだのかな。
何が何だか解らずに途中なら挫折していたはずなんですが何か惹き付けられるものがあって最後まで飲みました。
こちらの動画を参考にもう一度読みかえしてみたいと思います。
コメントありがとうございます。
解らないけれど、なぜか読んでしまう……そんな読書、確かにありますね。
実を言えばこの動画シリーズで解説している本の多くは、私にとって「とても好きなのに上手く言葉にできないな」と思った魅力を持っているものです。
それを、あの手この手で言語化するために動画を作ろうと考え、一番よくわからなかった『箱男』を第1作目にしました。
観終わった後にもう一度読み直すと、きっとさらなる発見があるはずです。
むずかしいー
はるか昔、高校の教科書で「赤い繭」を読みました。
「赤い繭」は教科書に採用されやすいようです。安部公房は短篇も含めると、かなり多様な作品を書いているのがわかります。
見ることは見られることによってしか成り立たない。猫は自分が猫であることに気付いていないが、自分が猫であることに気付いている猫は夏目漱石に任せよう。
この作品は、難解そのもの、でした。
わざとややこしく書かれた、何とも意地悪な小説だと思います。
最後の1行の意味を解説した動画はどこにあるのでしょうか?
9月のメンバーシップにて公開されます。最後の1行の意味と実現しなかった映画版の詳細をメインにお話しする内容です。
教えて頂きありがとうございます。取り急ぎお礼申し上げます。